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ローマ人への手紙の大きな区分とその主題についての考察

★今日のコラムでは、ローマ人への手紙の聴き取りが第12章に入り、そこから考えるようになった事柄をお伝えしたいと思います。★私自身、大きく考え、ローマ人への手紙の内容は、第11章までが、どちらかと言えば「キリスト教の教理」に該当し、第12章以降は「キリスト教の倫理」に該当すると語っていました。これに対して今回お伝えするのは、第11章までは「創造主なる神との関係の修復」に該当し、第12章以降は「隣人との関係の修復」に該当するという判断です。★キリスト者であればご存知のように、主イェスは律法の内容を大きく二つに分けました。マタイ第22章(口語訳)から引用します。[37]イエスは言われた、「『心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。[38]これがいちばん大切な、第一のいましめである。[39]第二もこれと同様である、『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』。[40]これらの二つのいましめに、律法全体と預言者とが、かかっている。」★「救い」という視点から言えば、キリスト者とは「主なるあなたの神を愛せよ」という戒めも「自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ」という戒めも共に「生きることが出来ない」ということを自覚し、同時に「その根本的な理由が、アダムにおける契約違反(罪)の結果である」ことを自覚した者達です。★この理解に立てば、第11章までは「創造主なる神との関係を修復するため」には「信仰によって義とされること」が必要なのだとわかり、第12章からは「隣人との関係の修復」は「内住する聖霊(御霊)のお働きにより行われる」のだと分かります。如何でしょうか?

「被造世界の管理責任」を自分で考える

★「総論各論」という言葉があります。今日は、この言葉を借りて、人間に託された「被造世界の管理責任」について考えたいと思います。★私は、創世記第1章28節を「創造の契約」における、人間に対する「契約条項」であるという解釈をお伝えしています。この解釈に立ちますと「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」が人間に与えられた「被造世界の管理命令」となります。そして、この「被造世界の管理命令」という言葉が「総論」であり「生めよ、ふえよ…を治めよ」が「各論」にあたります。★まずは、この「生めよ、ふえよ…を治めよ」という命令を「換喩」を用いて解釈します。★「換喩」とは、本来語りたいことは「事柄の全体」なのですが、その「事柄の全体」の中の一部を選んで、全体の代表として語る、という語り方です。★そうしますと「生めよ、ふえよ」は、人間の生命維持活動全体の一部と解釈できます。また「」は、人間の生活環境全体の一部と解釈できます。そして「海の魚…空の鳥…地に動くすべての生き物」は、人間をも含めた生命体全体の一部です。★以上から、「生めよ、ふえよ…を治めよ」という「各論の言葉」は、創造主なる神は「①人間の生命維持活動全体を、②人間の生活環境全体を、③人間をも含めた生命体全体を治める(管理する)ように命じている」と、その意味内容を拡張することが出来ます。★この拡張に基づいて、是非自分の思考力をお用いになり「被造世界の管理命令」について、より具体的に考えてみて下さい!
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