牧師のページ

イスラエルの歴史に啓示されている「律法の目的」

★ペンテコステ礼拝のこの日に、聖書に記録されたイスラエルの歴史は、主なる神様によって、啓示のために用いられていることを、確認したいと思います。★今日はアブラハム契約からです。12章で、主なる神様は「カナンの地」に到着したアブラムに対して、「わたしはあなたの子孫にこの地を与えます」と約束されました。主なる神様は、15章で「あなたはよく心にとめておきなさい。あなたの子孫は他の国に旅びととなって、その人々に仕え、その人々は彼らを四百年の間、悩ますでしょう。しかし、わたしは彼らが仕えたその国民をさばきます。その後かれらは多くの財産を携えて出て来るでしょう。」と語られました。この言葉は「イスラエルの民」の「出エジプト」によって成就しました。★指導者モーセの下、アブラハムの子孫であった「イスラエルの民」はエジプトでの奴隷状態から「救われ」、「約束の地カナン」へと向かいました。その途中「シナイ山」に立ち寄り、主なる神様と「シナイ契約」を結び「律法」が与えられます。★私たちが良く知るこの一連の出来事には重要な啓示が託されています。起きた出来事の順番から考えればよいのです。「律法」はイスラエルの民をエジプトから救い出すために与えられたものではなく、エジプトから救い出されたイスラエルの民に与えられたのです。★この順序から「律法を守れば救われる」という律法理解は、ユダヤ人の誤解なのです。「これはあなたがたの神、主があなたがたに教えよと命じられた命令と、定めと、おきてであって、あなたがたは渡って行って獲る地で、これを行わなければならない(申6:1)。」とありますように、「律法」は「救い出された者」が、「約束の地で生きるために」与えられたものなのです。

ルターが明らかにした「信仰義認」の教理が意味すること

★マタイによる福音書に、主イェスが語られた次の言葉が記されています。
[17]わたしが律法や預言者を廃するためにきた、と思ってはならない。廃するためではなく、成就するためにきたのである。[18]よく言っておく。天地が滅び行くまでは、律法の一点、一画もすたることはなく、ことごとく全うされるのである。[19]それだから、これらの最も小さいいましめの一つでも破り、またそうするように人に教えたりする者は、天国で最も小さい者と呼ばれるであろう。しかし、これをおこないまたそう教える者は、天国で大いなる者と呼ばれるであろう。[20]わたしは言っておく。あなたがたの義が律法学者やパリサイ人の義にまさっていなければ、決して天国に、はいることはできない。★主イェスはこの17節で「わたしは、律法や預言者を廃するためではなく、成就するためにきた」と語っておられます。この主イェスの言葉から、私は、ただ一人、主イェスだけが「主なる神様の要求する基準で律法を実行された」と解釈しています。つまり、主イェスだけが、主なる神様によって「義とされた」のです。★ですから、この「義とされる」という言葉を使うことが出来るのは、主イェスお一人です。★ローマ人への手紙(口語訳がギリシャ語に忠実)から判断しますと、パウロは、主イェスお一人が使うことの出来るこの「義とされる」という言葉を用いて、キリスト者は、「信仰」によって「義とされる」と語っているのです。これが、通常、わたしたちが「信仰義認」として理解している教理が意味することです。

主なる神様のみ前に自らの心を注ぎ出して生きる

★「民よ、いかなる時にも神に信頼せよ。そのみ前にあなたがたの心を注ぎ出せ。神はわれらの避け所である。(詩篇62:8)
★この聖句を基に、ある人物が次のように語っています。「何かがあなたがたに欠けているのなら、さあ、そこによい忠告がある。み前に心を注ぎ出してただ自由に嘆き、それが何であれ神には何も隠さないこと。あなたの親友に心のすべてを打ち明けるように、神の前に山のように悩みを投げ出しなさい。彼は喜んで聞き、助け、諭してくださる。彼にはしりごみしないで、それが大きすぎるとか多すぎると思わないこと。ぶちまけて安心しなさい。袋いっぱいの空しい不満であっても、すベてを出してしまいなさい。私たちの欠陥より神の偉大さがまさり、それ以上に彼はなさることができ、また、なさろうとする。彼には小出しにして言うのはやめなさい。人は多くの願いごとや頼みごとを、彼に対してはごまかすことができないのである。あなたが願えば願うほど彼は親密に聞いてくださる。ただそのまますベてを注ぎ出しなさい。一滴ずつしたたらせないこと。なぜなら、彼もまた、滴ではなく大洪水をあなたに注ぎかけるであろうから。」★この言葉を誰が語ったのかは伏せておきますが、この人物は自らの人生の中でこの言葉に生きたのです。そしてその生涯を閉じました。キリスト者としてこのように生きる事が出来ることを幸いに思いませんか?
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