一人の人間は数値化できない
28/09/14 00:00
★近頃皆さんは「ビッグデータ」という言葉を耳にされると思います。私が持つクレジットカードを例に上げれば、私がクレジットカードを使うたびに、カード会社側には、私が、いつ、どこの店で、何を、いくらで購入したのかというデータが蓄積されてゆきます。すぐに気づかれると思いますが、カード会社側には、発行されたカードの枚数分のデータが、瞬時瞬時、蓄積されてゆきます。この蓄積されたデータの集積が「ビッグデータ」です。★この「ビッグデータ」を利用しない手はありません。クレジットカードの場合、集積されたデータの数が多ければ多いほど、そのデータの中にある種の「傾向」を読みとることが出来るようになります。この「傾向」を利用するのです。実際利用されています。★そして考えたいポイントはここからです。「物事にはプラスの面とマイナスの面がある」と考えることはバランスの取れた思考ですから、人間一人一人の(消費)行動が「ビッグデータ」化されるということが全面的に悪いわけではありません。しかし、人間の(消費)行動が「ビッグデータ」化されることに対して私たちは無関心であってはならないと思います。本質的なことを言えば、人間の(消費)行動が「ビッグデータ」化されるとは、「大変複雑な存在である一人の人間を、単純な数値に置き換えている」ということです。そして「単純な数値に置き換えられた人間」は、簡単に操作の対象となり、いつしか、「操作されやすい存在であること」が重要であり、社会の中で意味のあることだと錯覚するようになります。★人間という存在は、複雑な存在であり、数値化された存在として扱われることを拒絶する存在なのです。