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「換喩」─聖書解釈にとって重要な「比喩」

今日は、聖書解釈にとって重要な「比喩」の一つである「換喩」をお伝えします。「換喩」とは「全体」を言語的に表現するのではなく「その全体の中に属する一部分」に「全体を代表さて」表現することです。ですから、聖書解釈者は、記されているある「表現」を文字通りに解釈するのではなく、文脈から「換喩」の可能性を考え、その「一部分」は「全体を代表している」のではないかと考えて、解釈する必要があります。★代表的な例は「主の祈り」です。マタイによる福音書から引用すれば、私たちは「わたしたちの日ごとの食物を、きょうもお与えください」と祈っています。★この祈りを、文字通りにだけ解釈しますと、私たちキリスト者は「主の祈り」を通して、「日ごとの食物」だけを「きょうもお与えください」と、父なる神様に祈り求めていることになります。★ここで「わたしたちの日ごとの必要」を考えますと、必要なものは「食物」だけではありません。もっと多種多様なのものが必要です。ですから、それらの「必要」を全て祈り求めるとなると、具体的な言葉をもっと数多くねなければなりません。★しかし、この「食物」を「換喩」と解釈すれば、この場合の「食物」は「わたしたちの日ごとの必要全体の一部」となります。つまり、主イェスは「換喩」を用いて「主の祈り」を教えられたと解釈するわけです。そうしますと、私たちの側は「わたしたちの日ごとの食物を、きょうもお与えください」と祈りますが、主なる神様の側は「わたしたちの日ごとの必要の全て」が祈られていると聴き取ってくださるわけです
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