キリスト教会の命を継続させるもの
24/01/10 00:00
★使徒パウロは、教会を牧する者達へ向けて、最も基本的且つ重要な勧告を次のように語っています。一つは、「信仰の弱い者を受けいれなさい。(ローマ14:1a)」です。もう一つは「わたしたち強い者は、強くない者たちの弱さをになうべきであって、自分だけを喜ばせることをしてはならない。わたしたちひとりびとりは、隣り人の徳を高めるために、その益を図って彼らを喜ばすべきである。(ローマ15:1,2)」です。★この二つの勧告はどのような視点で聴き取る言葉なのでしょうか。このことを考えるにあたり、教会とは何かという定義を持ち出します。定義は多々ありますが、今日は、「教会とは、主イエスの呼びかけにより、罪の支配から贖い出された者達の信仰共同体」としましょう。そうしますと、パウロのこの二つの言葉は、競争原理や優劣原理が信仰共同体を決して支配することがないようにするための勧告であると分かります。★パウロの言葉に基づけば、様々な意味で、教会の中には「弱い信仰者と強い信仰者」が存在するということです。この「様々な意味で」というところが大切です。なぜなら、時と場合により「弱さは強さとなり、強さは弱さになる」からです。ですから重要なことは、時と場合により「強い者が、強くない者たちの弱さをになう」ということであり、お互いに「隣り人の徳を高めるために、その益を図って」生きるということです。★どんなに強い信仰者でも弱さがありますから助けが必要です。同時に、どんなに弱い信仰者でも強さがありますから、相手を助けることができます。お互いに、相手の弱さを担い合うことを生きるなら、「信仰共同体(教会)の命」は、決して消えることがないのです。