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ローマ人への手紙第9章に取り組む準備として

★今日のきっかけは、パウロが語るローマ8:29です。こう記されています。
(29)神はあらかじめ知っておられる者たちを、更に御子のかたちに似たものとしようとして、あらかじめ定めて下さった。それは、御子を多くの兄弟の中で長子とならせるためであった。
★この言葉からわかりますように「神があらかじめ知っておられる者たち」とは、キリスト者のことですから、キリスト者は究極「主イェスに似る者」となるように「あらかじめ定められている」わけです。★この「あらかじめ定められている」という言葉が、キリスト教界の中で「選びの教理」を生み、キリスト教界内の各教派で、その受け止め方に違いがあります。「創造主なる神の絶対的自由をより尊重する立場」に立てば、全ての事柄は「聖なる定めの下にある」という教理内容となります。これに対して「被造物である人間の自由意志をより尊重する立場」に立てば、全ての事柄が「聖なる定めの下にあるとは言えない」という教理内容となります。当初は、恐らく激しい論戦が繰り返されたと思いますが、この両者は統一見解を持つことが難しく、現在、別々の教派として存在することになります。★この問題は、聖書の啓示を丁寧に読んで行けば、聖書の神の「三位一体論」やイエス・キリストの「二性一人格論」の論理構造と同様に、「被造物である人間の自由意志」が保証されつつ、同時に「創造主なる神の絶対的な自由に基づいた選び(創造主なる神の側の決定)」が成り立っていると判断せざるを得ません。つまり「創造主なる神」は一方では「選び」を行いつつ、他方では「人間の側の自由意志と責任を問うことが出来る」ということです。
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