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心が踊っている時に

★心理学で「心が踊っている」という表現があります。これは肯定的な意味ではなく、否定的な心の状態で、言わば理性的なコントロールが機能していない状態です。一般の言葉で言えば、「落ち着きがなく」、「そわそわし」、「冷静さを欠いた」状態です。一般的な言葉で言えば、「あがりの状態」がそのものズバリです。このように書き記しますと、かなりの頻度で、誰もが体験している心の状態ではないかと思います。★より丁寧に言えば、「心全体が踊っている」状態から、理性的なコントロールの余地が残されている状態まで、各自それぞれに位置取りがあります。そのような状態の中、理性的なコントロールの余地にあたる部分とは、自分を客観的に観察できる状態です。「自分は今あがっているな」と思える瞬間は、理性的な瞬間です。別の表現で言えば「自覚の瞬間」です。★この瞬間を捕えて、行動を止めること、そこに脱出の道があります。大切なのは「一旦行動を止める事です」。そして、わたしたちキリスト者は、御言葉に聞くのです。例えば、ペテロの第一の手紙第5章7節(口語訳)にこうあります。「神はあなたがたをかえりみていて下さるのであるから、自分の思いわずらいを、いっさい神にゆだねるがよい」次に、この御言葉から、「私の場合、心に溜まった思い煩いが、心の落ち着きを乱しているのではないか?」と思い巡らしてみるのです。そのようにしていますと、「あのこと、このこと」と思い至る可能性があります。また、私の場合は「心が踊っている」時、必ずと言ってよいほど「怒りの感情」が出現しますので、すぐに気づきます。★そして、せっかく「自分の思いわずらいを、いっさい神にゆだねるがよい」というペテロの勧告があるのですから、完全な冷静さに届かずとも、かなりの程度の冷静さに至るために、この勧告に従うのです。
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